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2024年01月18日
COLUMN

流動資産とは 流動資産の範囲と例示

2024年1月18日更新
上浦会計事務所
公認会計士・税理士 上浦 遼

 

1.流動資産とは

流動資産とは、短期間(1年以内)に現金可能な資産をいいます。貸借対照表の資産の部に記載され、短期的な資金繰りを判断する上で重要な指標となります。
具体例として、現金、預金、売掛金、受取手形、未収入金、短期貸付金、棚卸資産、前払費用などがあります。

2.流動資産の例示

流動資産には、以下のようなものがあります。

(1)現金預金

現金預金とは、その名の通り、現金と預金を合わせた勘定科目です。
現金は、商品やサービスの支払いに使用できる通貨をいいます。これは日本円だけでなく、外貨も含みます。
預金とは、企業が金融機関に預けている金銭を指します。預金にも色々と種類がありますが、代表的なものは普通預金や当座預金、定期預金などでしょう。ただし、定期預金については、1年間を超えるものは固定資産に区分されます。
現金預金は、流動資産の中でも最も流動性の高い資産といえます。

(2)売掛金

売掛金とは、営業活動によって発生した債権であり、商品やサービスの販売対価として、後日受け取る予定の金銭債権のことをいいます。営業活動以外から発生する債権は売掛金ではなく、未収入金となります。会社毎に営業内容は異なることから、同じモノを売ったとしても、会社が変われば勘定科目も異なります。

(3)棚卸資産

棚卸資産とは、企業が販売目的で保有している商品や製品、材料などをいいます。
棚卸資産には、商品、製品、仕掛品、原材料、貯蔵品などがあります。

(4)未収入金

未収入金とは、営業活動以外で発生した債権であり、例えば固定資産の売却代金など、後日受け取る予定の金銭債権のことをいいます。売掛金との違いは、営業活動以外から発生した債権という点です。本業から発生した債権を売掛金、それ以外から発生した債権を未収入金と考えましょう。
例えば、売上から発生した債権は「売掛金」、営業外収益など売上以外から発生する債権は「未収入金」というように、相手の勘定科目を想像すると分かりやすいかもしれません。

3.流動資産の重要性

流動資産は、企業の財政状態を判断する上で重要な指標です。一般的に、流動資産が多い企業は、短期的な資金繰りが良好であり、事業の継続性が高いと言えます。
流動資産は会社の財政状態を評価する際に利用されることがありますが、代表的な分析を二点以下に例示します。

  • 流動比率: 流動資産÷流動負債

流動比率は、短期的な債務の支払能力を示す指標です。流動比率が100%以上であれば、短期的な債務を支払う能力は良好であるといえます。

  • 当座比率: 当座資産÷流動負債

当座比率は、流動資産の中でも特に換金性の高い当座資産を用いて、短期的な債務を支払う能力を示す指標です。当座比率が100%以上であれば、短期的な債務を支払う能力が高いと言えます。
当座資産には、現金預金を始めとして、受取手形や、売掛金、未収入金、売買目的有価証券が含まれます。

前述の通り、流動資産は、企業の財務状況を判断する上でとても重要な指標です。
金融機関が融資先を評価する際には、流動比率などの評価基準が用いられることは多く、会社の債務に応じて適度な流動資産(特に現金預金)を保有することが大切です。

当コラムの意見にあたる部分は、個人的な見解を含んでおります点にご留意ください。

 

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