ガンカリソクとは? 通帳や銀行明細に出てくる元加利息の意味と会計処理を解説
2025年11月28日更新
上浦会計事務所
公認会計士・税理士 上浦 遼

1.はじめに
銀行の預金通帳やインターネットバンキングの明細の預入欄の中に、「ガンカリソク」という入金があったことはないでしょうか。その名称から利息であることは理解できると思うのですが、あまり聞きなれない言葉かもしれません。通帳上はカタカナ表記のため分かりにくいのですが、これは正確には「元加利息(ガンカリソク)」という利息の一種です。
本コラムでは、元加利息の意味と、その会計処理について整理します。
2.元加利息とは
(1)元加利息の意味
元加利息とは、銀行が支払う利息を現金で払い出すのではなく、預金の元本に組み入れて処理したものを指します。銀行明細上は「預入」や「入金」として表示され、残高に自動的に加算されます。
例えば定期預金の場合、満期や利払日の度に利息が発生しますが、その利息を一旦現金で受け取る代わりに、銀行側が自動的に元本に組み入れるのが元加利息です。
普通預金の場合、通常は該当口座に直接振り込まれるケースが一般的です。通常、普通預金口座に入った利息にも利息が上乗せされるため、普通預金口座に入る利息は基本的に元加利息といえるでしょう。実際、銀行によってはこれら普通預金利息も元加利息と表記されるケースもあります。
(2)元加利息と元本の関係
元加利息が元本に組み入れられることで、翌期以降の利息は増加後の元本を基準に計算されます。これは「複利計算」の基本であり、利息が利息を生む仕組みです。
例:1,000,000円を年1%で定期預金した場合
- 1年後の利息:10,000円
- 元加利息として元本に加算 → 翌年の元本は1,010,000円となる
- 翌年の利息は1,010,000×1%=10,100円
要するに、元本に加算された利息にも以降の利息が付くようになる点が元加利息の特徴です。
3.元加利息の会計処理
(1)会計上の取扱い
元加利息でも通常の預金利息と同じく、会計上「受取利息」として処理します。
ただし、銀行は利息支払時に源泉所得税を控除するため、預金明細に記載される入金額はあくまで源泉徴収後の金額となります。この点も通常の預金利息と変わりません。
仕訳上は税引前金額を「受取利息」として計上し、控除された税額を「仮払法人税等」や、「法人税等」として処理します。税金部分の会計処理は会社によってばらつきがあり、他の科目を使用している場合もあります。各社で通常使用している勘定科目に合わせることをお勧めします。
いずれの場合も、申告時に控除税額を正しく把握できるように整理しておくことが重要です。
【仕訳例(定期預金の場合)】利息1,000円が発生し、源泉所得税153円が控除された場合
- (定期預金)847/(受取利息)1,000
- (仮払法人税等)153/
また、資産科目は利息が組み入れられた金融資産の種類によって異なります。たとえば定期預金であれば「定期預金」、普通預金であれば「普通預金」といったように、元加利息が組み込まれる対象に応じて勘定科目を使い分ける必要があります。
(2)実務上の注意点
元加利息は、通常の受取利息と会計処理上大きな違いはありません。
ただし通常の預金利息同様、源泉所得税に関する仕訳を忘れないことが重要です。もし「受取利息」や「法人税等」の仕訳を行わずに預金増加だけを処理してしまうと、利息の計上額や納税額に誤ってしまう可能性があります。適正な決算、税務申告を行うためには、明細の段階で元加利息を正しく把握して処理することが求められます。
4.終わりに
入金時にカタカナで「ガンカリソク」と表記されると聞きなれませんが、利息が元本に加算されるという意味以外、通常の受取利息と変わりません。ただし、通常の預金利息同様、源泉税控除後の金額が預金に組み入れられているため、税引前利息の認識と源泉税の仕訳を忘れずに行う必要があります。
表示が分かりにくいため誤解しやすい項目ですが、正しい理解と処理を行うことで、適正な決算・申告につながります。
当コラムの意見にあたる部分は、個人的な見解を含んでおります点にご留意ください。
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