現金預金とは 現金の範囲、預金の範囲、現金預金の管理方法、不正防止
2024年2月29日更新
上浦会計事務所
公認会計士・税理士 上浦 遼
1.現金預金とは
現金預金とは、企業が保有する現金と預金の合計額を指します。
非常に一般的な勘定科目である現金預金勘定ですが、現金預金そのものに金銭的な価値があるため、たびたび横領等の対象になってきました。本稿では、その管理方法を含め、現金預金について説明します。
まずは、勘定科目名にもある「現金」と「預金」とは以下のものを指します。
(1)現金
手元にある紙幣や硬貨を指します。
金庫や場合によっては財布になどに保管されているものが該当します。会社によっては、営業所や支店など、複数の拠点で現金を持つこともあるでしょう。また、貸金庫などのように、普段本社で見ることのない場所で保管されている場合もあります。
なお、現金には日本円通貨だけではなく、外国通貨も含まれ、この場合には外貨換算が必要となります。
最近では利用頻度も減りましたが、古典的な論点として、小切手も現金に含まれます。
(2)預金
銀行などに預けているお金を指します。
普通預金、当座預金、定期預金など、預金にも複数の種類があります。
2.現金の管理方法
現金は金銭価値そのものであるため、横領の対象になりやすいという側面があります。
盗難や紛失に備え、以下のような管理を行うことが望ましいでしょう。
- 安全な場所での保管
⇒現金は鍵のかかる金庫など、安全な場所で保管しましょう。
会社によっては、企業風土や管理者のモラル上、問題はないと思われることもあるかもしれませんが、不正は行う機会を用意しないとうことも重要です。
- 現金出納帳の作成
⇒最近では、会計システムに仕訳入力を通じて作成されることが多いですが、現金出納帳は非常に重要です。
現金出納帳によって現金の動きと残高を確認することができ、何か問題があった場合に後から検証することも可能です。逆にいえば、現金出納帳がなければ、金額が間違っていても検証できない、または、そもそも実際の有り高が正しいかわからなくなってしまいます。
現金出納帳は一定期間まとめて記帳するのではなく、リアルタイムで残高を検証できるようにするため、なるべく入金、出金の都度記帳をするようにしましょう。
- 現金実査の実施
⇒現金実査は定期的に行うようにしましょう。頻度に決まりはありませんが、年度決算時は必須で、可能な限り月次、日次と実査をしておくのが望ましいでしょう。短い期間で実査をして損はありません。
現金の動きが小さいからといって、実査を先延ばしにすることも良くありません。決まったサイクルで必ず実査をすることは不正をさせない姿勢を示すことにも役立ちます。
現金実査はなるべく普段記帳を行っている担当者とは別の担当者が行うようにしましょう。
もし仮に横領が発生してしまった場合、実査担当者がそれを隠せるようになってしまうためです。問題の発見を遅らせないためにも、別の担当者が実査をすることは重要です。
3.預金の管理方法
現金ほどでは無いにしても、預金も横領の対象になる可能性があります。
また銀行残高と会計上の残高は通常一致するため、常に会計数値と齟齬がないようにする必要があります。
- 安全な場所での保管
⇒振込等に利用する銀行届出印や預金通帳は、鍵のかかる金庫など、安全な場所で保管しましょう。
現金と同じく、担当者に信頼がおける場合であっても、不正は行う機会を用意しないとうことも重要です。
- パスワード管理の徹底
⇒最近ではインターネットバンキングの利用も増えています。
常識の範囲内ではありますが、便利だからといって、パスワードなどの情報を必要な担当者以外に共有しないようにしましょう。
パスワード管理をはじめとしたセキュリティ管理は必須の基本対策です。
- 預金残高の照合
⇒現金と同じように、預金残高も会計数値と銀行通帳やインターネットバンキング上の残高と照合をするようにしましょう。年度決算時は必須で、可能な限り月次、日次と預金残高の照合をしておくのが望ましいでしょう。
もしも記帳誤りや、万が一にも横領があった場合には発見を早めることができます。
当コラムの意見にあたる部分は、個人的な見解を含んでおります点にご留意ください。