News & Column
お知らせ&コラム

2026年03月16日
税務会計-COLUMN-

フォークリフトにかかるのは自動車税?固定資産税(償却資産)? 大型特殊自動車と小型特殊自動車で変わる償却資産税・軽自動車税の考え方

2026年3月16日更新
上浦会計事務所
公認会計士・税理士 上浦 遼

自動車やトラックについては、自動車税や軽自動車税が課され、通常は償却資産税の対象にはなりません。では、工場や倉庫の敷地内だけでしか使用しないフォークリフトはどうなるのでしょうか。公道を走る普通自動車とは異なることから、判断に悩むことがあるのではないでしょうか。

本コラムでは、フォークリフトの自動車税・軽自動車税と償却資産税との関係を整理しながら、工場・倉庫で利用されるフォークリフトの税務上の位置付けについて、経理・税務担当者の方に押さえていただきたいポイントを解説します。


償却資産税は、地方税法に基づき市町村が課税する固定資産税の一種であり、機械装置、工具器具備品、建物附属設備などの有形減価償却資産に対して課されます。基本的に、毎年1月1日時点で所有している償却資産について、所在する市区町村へ事業者が自己申告を行う必要があります。

① 有形減価償却資産であること
償却資産税の対象となるのは、減価償却資産のうち、土地や建物などを除いた有形固定資産です。
基本的に耐用年数が1年以上あり、一定額以上で取得し、事業のために使用している設備が対象となります。この点、フォークリフトは、通常「車両及び運搬具」として取り扱われる有形減価償却資産に該当します。

② 自動車税・軽自動車税との関係性
多くの自治体の案内では、自動車税・軽自動車税の課税客体である自動車やバイクなどは、償却資産税の申告対象外とされています。つまり、道路運送車両法上の自動車であり、自動車税や軽自動車税の対象となるものについては、原則として償却資産税は課されません。
一方、その税目の対象とならない特殊な車両や設備は、償却資産税の対象に含まれることがあります。工場・倉庫で使用されるフォークリフトは、この「自動車税等の対象」と「償却資産税の対象」の境目に位置する資産であり、ここが実務上判断に迷うポイントであると思います。


フォークリフトは道路運送車両法上「特殊自動車」に分類され、そのうち「大型特殊自動車」か「小型特殊自動車」のいずれかに該当します。この二つの違いが税目の違いに直結します。

・大型特殊自動車に該当するフォークリフト
 →自動車税の課税対象からは除かれ、償却資産として固定資産税(償却資産税)の課税対象となる。勘違いも多いが、原則としてナンバープレートの取得の有無等は関係がない。

・小型特殊自動車に該当するフォークリフト
 →軽自動車税(種別割)の課税対象となり、償却資産税の対象から除かれる。
同じく原則としてナンバープレートの取得や公道走行の有無は関係がなく、ナンバープレートを取得しなくても課税される。多くのフォークリフトはこの小型特殊自動車に該当します。

したがって、適正に区分・申告されていることを前提として、事業用フォークリフトの課税関係ついては、
「大型特殊自動車に該当するもの=償却資産税(固定資産税)の対象」
「小型特殊自動車に該当するもの=軽自動車税(種別割)の対象」
となり、いずれか一方の税目で課税されることとなります。


フォークリフトの課税関係をもう少し具体的に見ると、次のような構造になっています。

特殊自動車に該当することを前提として、小型特殊自動車に該当するかどうかを判断します。
フォークリフトについては、長さ4.7メートル以下、幅1.7メートル以下、高さ2.8メートル以下、最高速度15キロメートル毎時以下といった技術的基準が定められており、これらの要件をすべて満たす場合に小型特殊自動車として扱われます。
この条件のいずれか一つでも超えると大型特殊自動車に区分されます。

その上で、小型特殊自動車に該当するフォークリフトは、公道を走るかどうかにかかわらず、基本的に所有している時点で軽自動車税(種別割)が課されます。結果、小型特殊自動車に該当するフォークリフトは、原則として償却資産税の対象からは外れます。

一方、大型特殊自動車に該当するフォークリフトは、自動車税の課税客体から除外されているため、自動車税や軽自動車税ではなく、償却資産として固定資産税(償却資産税)の対象とされます。

この点は普通乗用車などの一般的な自動車が異なる点であり、普通自動車の場合、公道を走るためのナンバー登録が自動車税等の課税関係の指標の一つとなります(厳密にはナンバープレートの取得基準ではありません)が、フォークリフトなどの特殊自動車では、所有しているか否かと寸法や最高速度といった技術的基準を考慮する必要があります。

実務上は、フォークリフトについてナンバープレート取得の有無で判断をしてしまうケースが見受けられますが、仮にナンバープレートを取得していなかったとしても償却資産税、自動車税のいずれかが課税される点には注意が必要です。


フォークリフトの取得価額は比較的大きいことが多いものの、一部のフォークリフトでは、いわゆる少額資産や特例の対象となる金額帯に収まる場合もあります。このような場合、税務上の費用計上のルールと償却資産税の申告ルールが必ずしも一致しない点に注意が必要です。

税務上、10万円未満の資産を一括費用処理する少額資産や、20万円未満の資産を3年で均等償却する一括償却資産は、償却資産税では申告対象外とされます。これに対し、中小企業者等の少額減価償却資産の特例により30万円未満を即時償却したフォークリフト等については、償却資産税では申告対象とされるため注意が必要です。

このように、同じ「初年度に全額費用計上したフォークリフト」であっても、利用した制度によって償却資産税の扱いが変わる可能性があります。固定資産台帳上、どの制度を適用したフォークリフトなのかによって課税関係が変わる可能性がある点に注意が必要です。

リースやレンタルで利用しているフォークリフトについては、誰が償却資産税(固定資産税)の納税義務者になるかに注意が必要です。原則として、法的な所有者が償却資産税の納税義務者となるため、所有権移転外リースでは、通常リース会社が申告主体となります。

一方で、契約終了時にフォークリフトの所有権が利用者に移転する所有権移転リースや、実質的に割賦販売に近い契約形態の場合には、利用者側が償却資産税の申告主体となることがあります。リース契約書に記載された所有権の帰属、リース期間終了時の扱い、解約条件などを確認の上判断が必要です。


本稿では、工場や倉庫の敷地内で使用するフォークリフトに焦点を当て、自動車税・軽自動車税と償却資産税の関係を中心に、税務上の取扱いを整理しました。フォークリフトが「大型特殊自動車」に該当するのか「小型特殊自動車」に該当するのかを技術的基準に基づいて判定し、その結果、「大型特殊に該当するものは償却資産税」「小型特殊に該当するものは軽自動車税」という形で税目が決まります。

「自動車税がかからないので何の税金もかからない」という理解ではなく、「どの税目の対象なのか」を切り分けて考えることが重要になります。
本コラムの内容が、自社のフォークリフトの整理や償却資産税・自動車税の見直しに少しでもお役に立てば幸いです。実際の取扱いは、自治体の運用や個別事情によって異なる場合もありますので、具体的なケースについては、顧問税理士や所轄自治体へのご相談もご検討ください。

当コラムの意見にあたる部分は、個人的な見解を含んでおります点にご留意ください。


弊事務所では、顧問税理士、税務に関する支援業務を幅広く提供しております。
初回ご相談時に報酬は頂いておりませんので、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

Back to List
Contact Us
ページのトップに戻る
Menu Open
Menu Close
©2023. Kamiura Accounting Firm.
TEL & FAX 082-205-8529