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2024年06月13日
IPO-COLUMN-

スタートアップ企業の現実と課題について IPO、ベンチャー企業にとって対処すべき課題

2024年6月13日更新
上浦会計事務所
公認会計士・税理士 上浦 遼

 

近年、様々なスタートアップ企業が誕生しています。
革新的なアイデアと高い成長性、大きなリターンから、多くの人々の関心を集めていますが、その華やかなイメージの裏には、厳しい現実と乗り越えなければならない多くの課題が存在します。

本コラムでは、多くのスタートアップ企業の支援をしてきた筆者の視点から、スタートアップ企業が特に知っておくべき現在の環境や課題を解説したいと思います。

1.市場の傾向

スタートアップにも様々な業種がありますが、最近の日本の市場では、IT、ヘルスケア、フィンテックなどの分野に注目が集まっています。
スタートアップ企業にとって資金は重要な生命線であり、注目を浴びている分野では資金を集めやすいという側面はあります。
ただし、本当に大切なことは事業として実際に成長することが出来るか否かです。注目されている分野だから、流行りの分野だからという理由で参入する市場を決めるのではなく、本当に自信をもって事業化が出来るという市場を選択すべきでしょう。
ここではスタートアップ企業にとって認識しておくべき現在の市場の傾向を解説したいと思います。

  • 競争の激化

成熟した市場では競争が厳しく、スタートアップ企業にとって参入障壁が高いと言わざる負えません。
それでは比較的新しい分野はどうかというと、注目度の高い分野は参入企業も多く、未成熟の市場であっても競争は避けられない環境にあります。
そのため、市場で勝ち残るためには、何か卓越したアイデアや、新しいビジネスモデル、技術力をもって市場に参入する必要があります。また、いわゆるブルーオーシャンと呼ばれる新たな市場を切り開くということも考えられますが、いずれにしても何か企業成長に必要な核となるものが必要なことに違いはありません。
リスクばかりを見ていては新たなことなど始められませんが、相手をする企業は海千山千の猛者であるということを認識し、事業運営に臨む姿勢が大切です。

  • 資金調達の困難さ

スタートアップ企業にとって初期段階の資金調達は必須であり、事業が軌道に乗るまでの生命線であると言っても過言ではないでしょう。ただ、現実問題として自己資金やエンジェル投資家からの支援で必要資金を全て賄うことは難しく、ベンチャーキャピタルからの資金調達や銀行融資がまだまだ主流というのが現実です。
ただし、そのうち銀行融資と創業期に財政状態を棄損しやすいスタートアップとの相性は悪く、融資で十分な資金を集められるケースは稀です。
とすると有力なのはベンチャーキャピタルからの資金調達ですが、それらの資金も一部の有望なスタートアップに集中する傾向がありますので、特に競争力のあるビジネスプランが求められます。

2.支援体制

スタートアップには多くの関係者、支援者が存在し、それらの関係者の協力をいかに引き出すかも重要です。それに対して、まだまだ日本の文化は先進的とは言い難いでしょう。
最近では、地方自治体、民間のインキュベーション施設で、スタートアップの育成を支援するプログラムが増えていますが、十分な支援体制は整っていません。
ここでは、スタートアップ企業にとって課題となるリソース面の問題や、スタートアップに対する印象面の課題を解説したいと思います。

  • 限られたリソース

スタートアップ企業は少数精鋭で始めることが多く、人材が十分でないケースが多々あります。それに対して、イグジットの目標をどこに設定するかにものの、代表的なIPOを目標とする場合、対応すべき業務は広く多岐に渡ります。
人的リソース不足は社会全体の問題となっていますが、ことIPOに関してはさらに深刻な問題なのです。
中でも地方都市では、東京を始めとした都市圏に比べてリソースが限られてきます。
これはスタートアップが必要とする人材の規模に対し、経験ある人材が限られているのが原因の一つであると思われます。

  • 文化的・社会的障壁、個人的なキャリアへの影響

日本のビジネス文化は伝統的な企業に根ざしている傾向が強く、新しいビジネスモデルやリスクを取ることに対する抵抗感を持たれます。上述の資金調達の困難さについても、このような文化が根底にあるのではないかと考えられます。
また、失敗に対する社会的な許容度が低いことも重要な要素です。スタートアップの失敗が個人のキャリアに与える影響は大きいと言わざるを得ないでしょう。初めから失敗を意識して始めることはないと思いますが、相応の覚悟が必要なのも事実です。

3.まとめ

スタートアップの世界では、栄光と挫折は常に隣り合わせです。
このようなテーマを扱う際には、どうしてもポジティブな面がクローズアップされがちですが、実際には非常にに厳しい面があり、ネガティブな情報や企業に関わる利害関係者の思惑、市況等を理解することはとても大切です。
ポジティブな面ばかりでなく、ネガティブな面も知っておくだけで、結果は大きく変わってきますので、それらの課題も乗り越え、真の成功に向けて企業成長を目指していきましょう。

当コラムの意見にあたる部分は、個人的な見解を含んでおります点にご留意ください。

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