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2024年04月03日
M&A-COLUMN-

買い手における買収先企業のデューデリジェンス(DD)の必要性 デューデリジェンスの要否、必須、省略の可否

2024年4月3日更新
上浦会計事務所
公認会計士・税理士 上浦 遼

 

最近では企業の成長戦略としてM&Aが選択されることは一般的になってきました。
このM&Aの検討する場合、どこかで一度はデューデリジェンス(DD)という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
デューデリジェンスは買い手がM&Aを進めるうえで非常に重要なものであり、不可欠といっても過言ではないのですが、専門的な論点が多いためかこのプロセスの内容が理解できない、必要性に疑問を覚えるという方は多いように感じます。
そこで今回は買い手側にとってのデューデリジェンスの必要性について解説したいと思います。

1.M&Aにおける情報の非対照性について

まず前提として、M&Aにおいて、売り手側と買い手側で保有する情報量には大きな差があります。
企業の買収を検討している時点で、売り手に対して買い手は最初から情報量で負けていると考えた方が良いでしょう。
なぜなら、当然の話ではありますが、売り手は自社のことをよく知っています。それに対して、通常買い手は、売り手の内部情報に触れることは出来ず、表面的な情報以外は知り得ません。
調査対象企業が上場会社であれば公開情報もありますが、ほとんどのM&Aは非上場会社が買収先企業であり、情報を入手できる機会は限られるでしょう。
なお、買収対象企業が仮に上場企業であっても、公開情報だけでM&Aを進めることは通常行いません。

そのため、買い手は買収先企業の潜在的なリスクや問題点を洗い出す必要があり、買収価格や買収条件の交渉を進めるための前提となる情報を集める必要があります。このプロセスがデューデリジェンスなのです。
デューデリジェンスは主に買い手側で行われ、売り手側では省略されることが多いのですが、この理由は保有する情報の非対照性にあります。

2.M&Aにおけるデューデリジェンスの必要性について

M&Aの実行は、買い手にとって売り手の全てを背負うといっても過言ではありません。そのような重要な取引を、買収先企業(売り手)のことをよく調べずに実行出来るでしょうか。
買い手が売り手のデューデリジェンスを行うのは当然であり、実施することに抵抗を感じる必要もないのです。
実務上、時間や予算の制約上、デューデリジェンスを実施しないことがありますが、それは非常にリスクの高い行為と言わざるを得ません。
逆に、もしも仮にデューデリジェンスが拒否されるようなケースがあれば、その理由に相当の合理性がない限り、そのM&Aには大きなリスクが伴うことを認識すべきです。

3.実施するデューデリジェンスの範囲について

事前に調査対象とする分野を明確にすることで、効率的なデューデリジェンスを実施することができます。
いくら経営資源を投入したとしても、買収先企業のことを一から全て調査することは出来ませんので、特に重要な項目や、リスクの高い項目について企業調査を行います。

デューデリジェンスにも様々な分野がありますが、まずは買い手にとってM&Aを進めるにあたりどのような情報が欲しいか、買収先企業のどのような部分にリスクを感じているかで、デューデリジェンスの範囲を決めましょう。場合によっては、最初に決めた範囲には含まれていなかったものの、財務デューデリジェンスを行った結果、追加で他のデューデリジェンスが必要になるということもあります。

デューデリジェンスには、その分野によって以下のようなものがあります。
何を調査すべきかわからない場合には、以下のデューデリジェンスを組み合わせて実施することをお勧めします。
最も行われることが多いのは、取引条件に直結しやすい「財務デューデリジェンス」ではないかと思いますが、いずれのデューデリジェンスも重要であり、優劣のあるものではありません。

(1) 財務デューデリジェンス
(2) 税務デューデリジェンス
(3) 法務デューデリジェンス
(4) 事業デューデリジェンス
(5) 人事労務デューデリジェンス
(6) 環境デューデリジェンス

4.まとめ

どのようなM&Aにも必ずリスクは付いて回ります。
そのうえで、リスクを低減するためのデューデリジェンスは必要不可欠であります。
デューデリジェンスには専門知識が求められるため、専門家の関与をお勧めするものの、必ずしも外部へ依頼する必要はありません。
企業内で買収先を調べることもデューデリジェンスに違いありませんので、事前の企業調査は欠かさないようにしましょう。

当コラムの意見にあたる部分は、個人的な見解を含んでおります点にご留意ください。

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