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2025年02月03日
M&A-COLUMN-

【図解で解説】PPAにおけるマーケットアプローチとは?何故実務上用いることが少ない理由は? マーケットアプローチの基本的な説明とその限界

2025年2月3日更新
上浦会計事務所
公認会計士・税理士 上浦 遼

 

1.はじめに

M&A時にわれるPPAでは無形資産の評価を行います。この無形資産の評価方法は複数存在するのですが、その評価アプローチの一つに「マーケットアプローチ」が存在します。
マーケットアプローチ以外の方法であるインカムアプローチは代表的な方法の一つですが、この方法では複数の仮定が含まれることとなります。
これに対してマーケットアプローチは客観性が高く、理論的には優れた方法なのですが、現実的にはほとんど使用されることがありません。
本コラムでは、PPA におけるマーケットアプローチの概念、その限界、並びに実務上の課題を解説します。


2.マーケットアプローチとは

マーケットアプローチとは、対象資産の市場価格や取引価格を用いる方法です。
対象となる技術などが市場で売買されている場合、この実勢価格を用いることで、非常に客観的な価値をつけることが出来るのです。
この市場価格について、身近な資産で例えるとするならば、上場株式の市場での時価を想像して頂くと良いでしょう。


3.マーケットアプローチの代表的な手法

マーケットアプローチでは、市場での取引価格や、類似資産の取引価格を参照します。
実際の取引価格を利用する方法ですが、以下のような手法が存在します。

・取引事例比較法


4.マーケットアプローチの実務的な課題

非常に客観性の高く理論的にも優れた手法であるマーケットアプローチですが、実務上利用されることはほとんどありません。
その最大の理由は、そもそもPPAの対象となる資産には、マーケット(市場)が市場が存在しなかったり信頼性が低いことがあります。
日本では無形資産を市場を介して売買することは一般的ではなく、その多くは相対取引で行われています。

相対取引では通常取引情報を開示することはなく、他社が取引事例を知り得ません。
このような状況下では情報やその信頼性が足りず、マーケットアプローチを採用することが出来ないというのが現状といえるでしょう。


.終わりに

PPA におけるマーケットアプローチは、理論的には有用であるものの、実務上はそもそも市場価格を得ることが難しいことから、利用範囲が非常に限定されていることが分かって頂けたでしょうか。
結果、実務上PPAで用いられるのはほとんどがインカムアプローチであり、資産の性質によってコストアプローチが採用されています。
今後、無形資産の市場の開発が進めば、マーケットアプローチが主流となることもあるかもしれません。

当コラムの意見にあたる部分は、個人的な見解を含んでおります点にご留意ください。


弊事務所では、デューデリジェンスを始めとしたM&Aに関する支援業務を幅広く提供しております。
初回ご相談時に報酬は頂いておりませんので、お気軽にお問い合わせください。

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