リース会計 - 基礎編 - リース取引の分類基準 オペレーティング、ファイナンス、所有権移転、移転外の判定
2024年2月15日更新
上浦会計事務所
公認会計士・税理士 上浦 遼
1.ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の分類
リース会計では、リース取引を、その取引条件からファイナンス・リース取引に該当するか、オペレーティング・リース取引に該当するかを分類します。この分類によって会計処理は大きく方向性が変わり、リース取引の判定において、非常時に重要な分岐点となります。
具体的な分類基準は、(1)ノンキャンセラブル、(2)フルペイアウトの二つから判定します。この両方を満たすリース取引をファイナンス・リース取引といい、逆に、どちらか一つでも満たさないリース取引はオペレーティング・リース取引に分類されます。
なお、リース会計は貸手、借手両方に適用されるものですが、説明の便宜上、以降は借りる側に限定して説明を行います。
(1)ノンキャンセラブル
ノンキャンセラブルとは、リース契約期間中に解約不能なリース取引をいいます。
契約上解約不能が明記されているだけではなく、解約に一定のペナルティ(未経過リース料のほぼ全額を支払うなど)があるなど、事実上解約不能であるか否かを判定する必要があります。
逆にいえば、リース期間中に簡単に解約できるものはファイナンス(金融取引)の側面は薄く、通常の賃貸借取引に近いと判断されているとも言えます。
(2)フルペイアウト
フルペイアウトとは、リースの対象資産から得られるほぼ全ての経済的利益を享受することが出来るリース取引をいいます。
具体的には、対象資産から得られる「効果や利益」と、対象資産の取得価額や維持管理コストなどの「取得価額や費用、リスク」の両方をほぼ全て負担していることをいいます。
通常の自己所有している固定資産をイメージして頂きたいのですが、対象資産から得られる「効果や利益」と対象資産の「取得価額や費用、リスク」は全て自社(自己)が得る(負担している)と思います。
要するに、通常の固定資産の所有とほぼ変わらないという事を、フルペイアウトと呼んでいるのです。
2.所有権移転と所有権移転外の判定
ファイナンス・リース取引と分類されたリース取引について、以下のいずれかの事実がある場合には、「所有権移転ファイナンス・リース取引」とされ、いずれの事実も該当がない場合には「所有権移転外ファイナンス・リース取引」に分類されます。所有権の移転、移転外の判定では、数値基準は無く、一定の事実関係の有無で判定します。
① リース期間終了後またはリース期間の中途で、対象資産の所有権が借手に移るリース取引
② リース期間終了後またはリース期間の中途で、割安購入選択権があり、ほぼ確実に行使されるリース取引
③ 借手の用途に合わせた特別仕様で作られたものであり、リース物件返還後、第三者への提供が困難なリース取引
なお、③の特別仕様には、専門性の高い機械装置や不動産も対象となる点に留意しましょう。
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