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ナレッジQ&A

専門知識Q&A

会計・税務・IPO・M&Aの最新動向や実務上の疑問点を、専門家の視点から分かりやすく簡潔に回答します。
なお、これらの情報は、細心の注意を払い作成しておりますが、記載内容の正確性や完全性について保証するものではございません。また、置かれる状況は個人や企業ごとに異なりますので、全ての企業において普遍的に適用されないケースがございます。そのため、FAQの利用にあたっては、ご自身の判断と責任のもとに行って頂けますようお願い申し上げます。

M&A
M&Aにおいて専門家に財務デューデリジェンス(DD)を依頼するのは何故ですか?

M&Aにおいて会計数値は非常に大きな意味を持ちます。
しかし、企業の決算書(貸借対照表や損益計算書など)は様々な要素により作成されており、且つ、同じように見える会計にも実は企業ごとの個性のようなものがあります。
特に中小企業ではこのばらつきが非常に大きく、会計の誤りや、実態を示さない会計処理などが存在することは珍しくありません。そのような前提で作成された決算書に基づきM&Aの意思決定をすることは非常に大きなリスクを伴います。
しかし、修正すべき点を発見し、補正することは数多くの企業の決算や調査にあたってきた専門家以外には難しい部分があるのです。

特に、各種引当金や減損会計、税効果などまで加味して調整を行うためには、さらに高い専門知識が必要とされます。
M&Aにおいて考慮すべき課題の見落としの影響は大きく、且つ、後から取返しの付かない不可逆的な要素が多く存在しますので、可能な限り専門家による調査を推奨しています。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&A時の調査における貸借対照表項目の要注意項目 社内リソースでデューデリジェンスを行う場合の重点項目

M&A
M&Aの売り手側にとってデューデリジェンスをやる意味があるのでしょうか?

デューデリジェンスは買い手が実施することが多く、実際、買い手企業ほど売り手企業にとってデューデリジェンスの重要性は高くありません。
これは、買い手企業は売り手企業をことをよく知るために事前調査をするに対し、売り手企業は通常自社のことをよく理解しているという情報の非対称性が前提にあります。

ただし、M&Aの視点から売り手が何を意識すべきか、M&Aに向けての課題が何かを把握するという点において、売り手にとってのデューデリジェンスは重要な意味を持ちます。
透明性の高い情報開示は買い手の信頼を得る手段となり、交渉力の向上や売却価格の最大化に寄与します。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&AにおけるDDとは? 第一回 デューデリジェンス(Due Diligence)の概要と全体像

M&A
M&A前の企業調査(デューデリジェンス)では金額の小さい科目も評価対象にすべきですか?

はい。金額の大小に関わらず調査は行うべきです。
デューデリジェンスでは網羅性という視点も大切であり、帳簿上の残高が小さかったとしても、もしかすると実態はもっと金額が大きく、M&Aの意思決定に影響を与える可能性もあります。例えば、未払金の残高が小さかったため調査しなかった結果、M&A実行後に未払残業代などの簿外債務が多額に出てしまう等といった場合が考えられます。

また、使用実態がない資産や形式的に残っているだけの科目も、正確な財務評価には含めるべきです。不要であれば評価減や除却を検討する必要があります。

M&A
株式価値の算定にDCF法を採用する場合でもM&Aにおいて貸借対照表の調査は必要ですか?

必要です。
DCF法等のフロー項目に着目した評価方法によれば、貸借対照表情報の利用範囲は限定的ですが、貸借対照表は企業の財政状態を示す基本資料であり、純資産の状況や負債リスクを把握するための出発点となります。
これを適切に調査することで、現時点の対象企業の財政状態から見た株式価値、事業価値を把握することが出来ます。これは事業計画や損益計算書を検証しただけでは把握できない情報でであるといえます。
結果、適正な買収価格の算定や、調査を通じた潜在的なリスクの事前把握に貢献します。

なお、損益計算書の評価が重要ではないという訳ではありません。
M&Aは実行した時点で成功とはいえず、M&A後に相乗効果などを通じて成果をあげて初めて成功したといえます。
損益計算書は正常収益力の算定等、将来の価値を図るための出発点となります。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&A時の調査における貸借対照表項目の要注意項目 社内リソースでデューデリジェンスを行う場合の重点項目

M&A
M&Aにおいてデューデリジェンスを実施するタイミングはいつですか?

一般的にデューデリジェンスは基本合意書締結後から最終契約前までに実施されます。
案件によって前後する場合や、複数の分野のデューデリジェンスを行う場合もありますが、基本的には最終契約前に十分な調査を完了しておくことが必要です。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&AにおけるDDとは? 第一回 デューデリジェンス(Due Diligence)の概要と全体像

M&A
M&Aの検討にあたり社内リソースのみで対象企業の貸借対照表を調査する場合、見ておいた方がよい勘定科目はなんですか?

M&Aの調査にあたり重要でない勘定科目はありません。
不動産評価や、税金対策で契約している生命保険、税効果の影響など、共通して課題に挙がりやすく、金額的にも大きくなりがちなポイントは存在するものの、全ての勘定科目にリスクは存在します。

貸借対照表に計上されていない簿外債務や簿外資産にも注意が必要であり、企業の伝票起票には癖のようなものがあることから例え自社と全く同じ勘定科目であったとしても中身は全く違うといったこともあり得ます。
先入観を持った調査や、画一的な調査は後々想定外の結果を招いてしまうこともありますので、なるべく専門家に調査を依頼することをお勧めします。

それでもなお、社内リソースで企業調査を実施する場合、以下の記事で貸借対照表で注意が必要な点を解説しておりますのでご参照下さい。

M&A時の調査における貸借対照表項目の要注意項目 社内リソースでデューデリジェンスを行う場合の重点項目

M&A
デューデリジェンスによってM&A売り手企業において税効果会計が適用されていないことが分かったのですが、どうすればよいですか?

税務申告において税効果会計は否認されることもあり、多くの中小企業では税効果会計を適用していません。
買い手企業の方針によって税効果会計まで反映させるべきか検討の余地がありますが、税効果会計の影響は少なからずあり、これらを加味した貸借対照表、損益計算書を把握したい場合には考慮が必要です。

ただし、税効果会計の適用には非常に専門的な知識が必要とされるため、簡単に試算するということは難しいかもしれません。税効果会計のベースとなるタックスプランニングなども作成していないケースは多いですので、適用には一定の仮定を置いて簡便的に計算する方法や、特に金額の大きい調整項目に限定してその影響を加味するという方法も考えられます。

そもそも税務上の取扱いも専門家でなければ判断が難しい面がありますので、可能な限り専門家による調査をお勧めしております。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&A時の調査における貸借対照表項目の要注意項目 社内リソースでデューデリジェンスを行う場合の重点項目

M&A
M&Aのデューデリジェンスにおいて、調査範囲が広すぎると費用が高額になることはありませんか?

あります。
企業のリスクは細部まで検証しようとすれば際限がなく、すべての領域を網羅しようとすれば費用や時間が膨大になる可能性があります。そのため、重要なリスクを見極め、優先度を設定してデューデリジェンスの範囲を検討することが重要です。また、他のデューデリジェンスを実施する中で新たなリスクが判明し、追加の調査が必要となる場合もあります。

M&Aにおいてデューデリジェンスは必ず実施することをお勧めしておりますが、その範囲についてはコストと時間のバランスを考慮して方針を決める必要があります。

M&A
M&Aの実行においてデューデリジェンスは必ず実施しなければならないのですか?

法律で義務付けられているわけではありませんが、デューデリジェンスはM&Aの成否に直結する重要なプロセスであり、実務上はほぼ必須であるといえます。

M&Aにおけるリスクは決算書等の周辺資料を見ただけでは分からないものが多く存在し、想定外の簿外債務や訴訟リスク、否認される可能性の高い損金算入など、多岐に渡るリスクが潜んでいる可能性があります。
デューデリジェンスは当然に実施するべき最低限の調査であり、M&A前の実施を強く推奨しております。

デューデリジェンスの基本を以下の記事で解説しております。

M&AにおけるDDとは? 第一回 デューデリジェンス(Due Diligence)の概要と全体像

M&A
M&Aにおけるデューデリジェンスの対象範囲はどのように決めるべきですか?

対象企業の業種や性質、状況、M&Aの規模や目的によってデューデリジェンスで対象とする範囲は変化します。
例えば、代表的な調査対象分野として、財務、税務、法務、ビジネス、人事、IT、環境などの領域があります。
どの分野について調査を行うかは、案件の内容に応じて特有のリスクを考慮する必要があり、最初から特定の分野(例えば財務)のみに絞るのではなく、個別案件ごとに判断をすることが重要です。

なお、比較的多くの事例で実施することの多い財務デューデリジェンスを先行して実施し、並行して各分野のリスクをスクリーニング(リスクの洗い出し)したうえ、発見したリスクの内、許容し難いものについて追加でデューデリジェンスを実施するといった段階的な実行方法もあります。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&AにおけるDDとは? 第一回 デューデリジェンス(Due Diligence)の概要と全体像

M&A
M&Aに際して実施したデューデリジェンスの結果はどのように活用すれば良いですか?

M&Aにおけるデューデリジェンスの調査結果は、対象会社のリスクの把握、買収価格の調整、表明保証・補償条項の設定範囲、最終契約の条件交渉などに活用されます。場合によっては、デューデリジェンスの実施結果を受け、M&Aを実行しないという意思決定に繋がる可能性もあります。
また、買収後の経営統合(PMI)の計画策定にも有効な情報を提供し、M&A実行後においても活用される情報を提供します。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&AにおけるDDとは? 第一回 デューデリジェンス(Due Diligence)の概要と全体像

M&A
M&Aにおけるデューデリジェンスはどのくらいの期間が必要ですか?

案件の規模や調査範囲によって所要期間は変化します。
中小規模の案件では数週間程度、大規模案件では数か月に及ぶこともあります。調査の結果、重大な懸念事項が出た場合には調査期間が予定よりも伸びてしまうこともあります。
M&A
の全体スケジュールに影響するため、計画には余裕を持っておくことをお勧めします。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&AにおけるDDとは? 第一回 デューデリジェンス(Due Diligence)の概要と全体像

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