Question And Answer
ナレッジQ&A

専門知識Q&A

会計・税務・IPO・M&Aの最新動向や実務上の疑問点を、専門家の視点から分かりやすく簡潔に回答します。
なお、これらの情報は、細心の注意を払い作成しておりますが、記載内容の正確性や完全性について保証するものではございません。また、置かれる状況は個人や企業ごとに異なりますので、全ての企業において普遍的に適用されないケースがございます。そのため、FAQの利用にあたっては、ご自身の判断と責任のもとに行って頂けますようお願い申し上げます。

IPO
上場準備企業にとって信託型ストックオプションの活用は有効ですか?

有効な面はありますが、導入するか否かは慎重な判断が必要です。

上場準備企業ではその過程が順調であれば、通常、創業から上場までの間に株式価値が増加していきます。
この点、信託型のストックオプションは株式価値を一定の金額で固定しておくことが出来るため、上場準備の後半、企業価値の上昇により株価が高騰している局面でも、魅力的なインセンティブを用意しやすいというメリットがあります。
一般的に、上場後半になるほど企業の業務負荷や業務の難易度が高まりますので、後半戦に優秀な人材を確保しやすいという意味でも有効でしょう。

ただし、信託型ストックオプションは、国税庁より示された見解により、実質的に給与課税される可能性が高いと見られるようになって以降、その利用は減少しています。また、信託型ストックオプションの設計、運用には専門的な知識が必要であり、且つ信託を実行するためのコストも生じます。
導入企業にとっての費用対効果を考慮すると共に、専門家の支援の下で検討をお勧めします。

詳細は以下の記事で解説しております。

スタートアップ企業における税制非適格ストックオプション その3 信託型ストックオプションの場合における企業、従業員双方の課税関係の整理

税制適格ストックオプションの発行にあたり、対象者が当社を退職した場合に権利が失効する条件を付けなければならないのでしょうか?

いいえ。
税制適格ストックオプションの適格要件では、対象者が発行体企業を退職した場合に権利が失効するという条件は求めていません。
実務上、発行体企業を退職や退任などで離れる場合、権利が失効する旨の条件が付くことが多いですが、これはストックオプションのインセンティブ報酬としての効果を担保するための条件であるといえます。

要するに、ストックオプションは将来企業価値を高めることが付与対象者である従業員等にとっても経済的価値が増加するということを共有できるのが最大のメリットであるにも関わらず、付与後に発行体企業を離れてしまった場合でもその権利を残すと効果が薄れてしまうのです。

IPO
ストックオプションにはベスティング条項を必ず設ける必要がありますか?

いいえ。
ベスティング条項はストックオプション制度において必須ではありません。
べスティング条項の効果、必要性を戦略的に判断し条項を設けるか否かを判断しましょう。

詳細は以下の記事で解説しております。

ストックオプションにおけるベスティング条項の基本的な解説と税制適格要件との関係

税制適格ストックオプションの権利行使価額限度額は誰が管理するのでしょうか?

税制適格ストックオプションの「年間権利行使価額の限度額」の充足状況は、形式上は各権利行使者側で管理が必要ですが、実質的には発行体企業側でも管理しなければなりません。
発行体企業側で要件充足の証明が出来なければ、制度自体の運用が不安定になり、また、税制非適格部分については企業側に源泉徴収義務が生じる可能性があることから、権利行使部分が税制適格なのか、非適格なのかは発行体企業において、いずれにせよ把握しておく必要があります。
結果、発行体企業側での管理はほぼ不可避であると思われます。​

会計
預り売上を収益計上することは禁止されているのでしょうか?

いいえ。預り売上だからといって必ずしも収益計上が認められないわけではありません。
収益認識に関する会計基準(以降、収益認識基準という)において、預り売上は、請求済未出荷契約として整理されており、以下の要件を全て満たす場合には、収益計上は認められます。
なお、在庫が販売企業側に残っていること、及び、請求は既に完了していることは前提としています。

①合理的な理由に基づき出荷を遅らせていること
②顧客に属する商品として個別に識別されていること
③顧客への引き渡し準備が完了していること
④企業が当該商品を自由に他に販売することができないこと

上記の要件を満たさず、単に請求書を発行しただけの状態や、自社の都合で出荷を止めているだけの場合には、通常、収益計上はできないものと考えられます。

IPO
有償でストックオプションを発行する場合、税制適格ストックオプションとなりますか?

いいえ、有償型のストックオプションは税制適格ストックオプションには該当しません。
税制適格となるためには、ストックオプションの付与が無償であることが要件の一つとされているため、有償で取得する形式は原則として税制非適格ストックオプションに該当します。

ただし、有償ストックオプションの場合、有償部分(ストックオプションの価値)が時価として妥当な場合、課税構造自体は税制適格ストックオプションに類似します(株式譲渡時の課税及び、譲渡所得として分離課税される点)。

詳細は以下の記事で解説しております。

スタートアップ企業における税制非適格ストックオプション その2 SO有償発行の場合における企業、従業員双方の課税関係の整理

M&A
M&Aにおけるデューデリジェンスの対象範囲はどのように決めるべきですか?

対象企業の業種や性質、状況、M&Aの規模や目的によってデューデリジェンスで対象とする範囲は変化します。
例えば、代表的な調査対象分野として、財務、税務、法務、ビジネス、人事、IT、環境などの領域があります。
どの分野について調査を行うかは、案件の内容に応じて特有のリスクを考慮する必要があり、最初から特定の分野(例えば財務)のみに絞るのではなく、個別案件ごとに判断をすることが重要です。

なお、比較的多くの事例で実施することの多い財務デューデリジェンスを先行して実施し、並行して各分野のリスクをスクリーニング(リスクの洗い出し)したうえ、発見したリスクの内、許容し難いものについて追加でデューデリジェンスを実施するといった段階的な実行方法もあります。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&AにおけるDDとは? 第一回 デューデリジェンス(Due Diligence)の概要と全体像

M&A
M&Aに際して実施したデューデリジェンスの結果はどのように活用すれば良いですか?

M&Aにおけるデューデリジェンスの調査結果は、対象会社のリスクの把握、買収価格の調整、表明保証・補償条項の設定範囲、最終契約の条件交渉などに活用されます。場合によっては、デューデリジェンスの実施結果を受け、M&Aを実行しないという意思決定に繋がる可能性もあります。
また、買収後の経営統合(PMI)の計画策定にも有効な情報を提供し、M&A実行後においても活用される情報を提供します。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&AにおけるDDとは? 第一回 デューデリジェンス(Due Diligence)の概要と全体像

ストックオプション発行後に、会社側の都合で行使条件や行使期間を変更することはできますか?

原則として、発行体企業が一方的に不利益変更を行うことはできません。
新株予約権(ストックオプション)は、付与時点で一定の行使条件が確定しており、その内容を事後的に発行体企業側の意思のみで変更することは出来ないことから、事前の条件設計を慎重に行う必要があります。

IPO
有償型ストックオプションを発行する場合、権利付与時に課税関係はありますか?

通常、課税関係はありません。
対価として適正な時価を支払ってストックオプションを取得している場合、従業員等(権利付与対象者)に経済的利益は発生していないと判断できるため、付与時点での課税はありません。
ただし、ストックオプション(新株予約権)の対価支払額が、その時点のオプション時価よりも低い場合、より価値があるものを安く手に入れているわけですので、従業員等(権利付与対象者)に経済的利益が発生し、課税関係が生じる可能性がありますので注意が必要です。

詳細は以下の記事で解説しております。

スタートアップ企業における税制非適格ストックオプション その2 SO有償発行の場合における企業、従業員双方の課税関係の整理

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