Question And Answer
ナレッジQ&A

専門知識Q&A

会計・税務・IPO・M&Aの最新動向や実務上の疑問点を、専門家の視点から分かりやすく簡潔に回答します。
なお、これらの情報は、細心の注意を払い作成しておりますが、記載内容の正確性や完全性について保証するものではございません。また、置かれる状況は個人や企業ごとに異なりますので、全ての企業において普遍的に適用されないケースがございます。そのため、FAQの利用にあたっては、ご自身の判断と責任のもとに行って頂けますようお願い申し上げます。

M&A
デューデリジェンスによってM&A売り手企業において税効果会計が適用されていないことが分かったのですが、どうすればよいですか?

税務申告において税効果会計は否認されることもあり、多くの中小企業では税効果会計を適用していません。
買い手企業の方針によって税効果会計まで反映させるべきか検討の余地がありますが、税効果会計の影響は少なからずあり、これらを加味した貸借対照表、損益計算書を把握したい場合には考慮が必要です。

ただし、税効果会計の適用には非常に専門的な知識が必要とされるため、簡単に試算するということは難しいかもしれません。税効果会計のベースとなるタックスプランニングなども作成していないケースは多いですので、適用には一定の仮定を置いて簡便的に計算する方法や、特に金額の大きい調整項目に限定してその影響を加味するという方法も考えられます。

そもそも税務上の取扱いも専門家でなければ判断が難しい面がありますので、可能な限り専門家による調査をお勧めしております。

詳細は以下の記事で解説しております。

M&A時の調査における貸借対照表項目の要注意項目 社内リソースでデューデリジェンスを行う場合の重点項目

IPO
法人課税信託とは何ですか?

法人課税信託とは、信託財産に帰属する所得に対し、信託受益者ではなく、信託自体に法人税が課税される形式の信託です。信託型ストックオプションにおいては、信託組成時に受益者が指定されていないため、この法人課税信託として取り扱われます。

詳細は以下の記事で解説しております。

スタートアップ企業における税制非適格ストックオプション その3 信託型ストックオプションの場合における企業、従業員双方の課税関係の整理

IPO
ベンチャーデッドの利用において希薄化リスクはどのように評価すべきですか?

ベンチャーデッド(新株予約権付融資)は、新株予約権が付いていることが特徴であり希薄化リスクが内在します。
この希薄化リスクを評価する方法として、新株予約権がすべて行使された場合、既存株主の持分比率がどの程度減少するかを「最大希薄化率」として試算し、希薄化の結果既存株主が受ける影響や、今後の資金調達への影響を検証することをお勧めします。
条件次第ではあるものの、既存株主への影響があり、契約内容を慎重に設計し利害関係者に説明することが必要です。

詳細は以下の記事で解説しております。

上場準備における新たな資金調達の潮流 新株予約権付融資(及び社債)の活用時の検討事項・注意事項(ベンチャーデッドの活用方法)

IPO
有償型ストックオプションでは、ストックオプション付与対象者(従業員等)が課税されるのはいつになるのしょうか?

有償型ストックオプションにおいて、ストックオプションの付与対象者に課税がされるのは、株式を譲渡(売却)したタイミングです。
具体的には、譲渡価格から行使価額(及びストックオプションの購入価額を加算した額)を差し引いた金額が譲渡所得として課税されます。ここで重要なのは、権利付与時に払われたオプション部分の額が適正であれば、権利付与時及び権利行使時には課税がされないということと、権利行使価格(及びストックオプションの購入価額を加算した額)との差額は給与所得として扱われないという点です。
この点において、有償型ストックオプションと税制適格ストックオプションの課税構造は類似しているといえます。

詳細は以下の記事で解説しております。

スタートアップ企業における税制非適格ストックオプション その2 SO有償発行の場合における企業、従業員双方の課税関係の整理

IPO
スタートアップ企業で種類株式が発行されている場合、税制適格ストックオプションの権利行使価額で使用する株式価値に影響はありますか?

種類株式がどのような設計になっているかによりますが、多くのケースで影響があります。
スタートアップ企業が資金調達を行う場合、ベンチャーキャピタル(ファンド)等に対して発行する種類株式には残余財産の分配優先権が付されていることが多く、普通株式の純資産価額はこれら優先部分の影響を受けて低くなる可能性があります。
大まかな算定方法ではありますが、種類株式に分配される残余財産の優先分配額を控除した残りの純資産価額で株式価値の計算をすると思って下さい。

詳細は以下の記事で解説しております。

【図解】税制適格ストックオプション要件である権利行使価額の株式時価算定方法 ストックオプションに対する課税(Q&A)で明確にされた特例方式について中心的に解説(令和6年度税制改正対応)

IPO
税制適格ストックオプションを発行している場合、いずれかのタイミングで発行企業側に源泉徴収義務はありますか?

いいえ。税制適格ストックオプションにあたる場合、権利付与時、権利行使時、株式譲渡時いずれのタイミングにおいても給与所得として取り扱われる所得が無く、原則として源泉徴収は必要ありません。
ストックオプションの付与対象者(従業員等)は、権利行使によって得た株式を実際に譲渡した際、譲渡所得として課税されます。付与対象者(従業員等)は各自確定申告を行い、納税して頂く必要があります。

詳細は以下の記事で解説しております。

スタートアップ企業における税制適格ストックオプション 税制適格ストックオプションを発行する場合の企業、従業員双方の課税関係の整理

IPO
東京証券取引所 グロース市場に新規株式公開(上場)した後、維持基準未達となってしまった場合どうなりますか?

市場の求める維持基準を満たさない状態が続くと、原則として1年間の改善期間が設けられ、その後も基準未達の状態が続くと「監理銘柄」や「整理銘柄」に指定されたうえ、上場廃止となるリスクがあります。

維持基準には様々な条件がありますが、グロース市場の維持基準には他の市場にない成長性の基準が存在します。
現在、「上場後10年が経過時点で時価総額が40億円以上」とされていますが、「2030年以降は上場後5年時点で時価総額が100億円以上」に引き上げられる見込みです。

IPO
信託型のストックオプションは税制適格ストックオプションとなりますか?

従来より利用されていた一般的な設計の信託型のストックオプションは税制適格要件を満たしません。
そのため、税制非適格ストックオプションとして取り扱われます。

詳細は以下の記事で解説しております。

スタートアップ企業における税制非適格ストックオプション その3 信託型ストックオプションの場合における企業、従業員双方の課税関係の整理

IPO
税制適格ストックオプションに関する2024年税制改正で権利行使価額はどのように変わりましたか?

2024年の税制改正において、一定の条件を満たす場合の税制適格ストックオプションの権利行使価額の限度額が引き上げられました。一定の条件とは主に設立からの期間を指し、具体的な権利行使限度は以下のようになります。

  • 設立5年未満の企業 : 2,400万円/年
  • 設立5年超20年未満の企業(又は上場後5年未満) : 3,600万円/年
  • 設立20年以上(又は上場後5年超) : 1,200万円/年

詳細は以下の記事で解説しております。

スタートアップ企業の付与する税制適格ストックオプションの権利行使限度額について 2024年改正対応

IPO
当社はスタートアップ企業で現在資金繰りが厳しいのですが、新株予約権付融資で調達した資金を運転資金として活用することはできますか?

新株予約権付融資(ベンチャーデッド)を設備投資など長期的な戦略のために使用するのではなく、運転資金などの短期的な用途に利用すること自体は可能ではあるものの、通常、これらの返済期間は長期間に渡り、資金提供側の意思にそぐわない可能性がある点には注意が必要です。

融資等によって得た資金は一度企業の口座に入ってからは色が無く、ともすれば他の用途に利用してしまうことがあるかもしれませんが、資金調達の際、理由を説明のうえで融資を受けていると思いますので、資金提供者に対する誠意を忘れてはいけません。

資金需要の理由と、どのような形で資金調達を行うかは金融機関等の資金提供者に対して十分な説明を行った上、金融機関等と意思疎通を図ることが重要です。

詳細は以下の記事で解説しております。

上場準備における新たな資金調達の潮流 新株予約権付融資(及び社債)の活用時の検討事項・注意事項(ベンチャーデッドの活用方法)

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